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「うちは普通だから大丈夫」が一番危ない?遺産分割で揉めるケースと専門家関与の意義blog

遺産分割におけるトラブルは、必ずしも相続財産額の多寡に比例するものではなく、むしろ相続財産の内容や家族関係、これまでの経緯によって生じることが少なくありません。税務の観点のみならず、いわゆる「争族」とならないよう事前にリスクを把握し、適切な対応を講じることが重要です。また、こうした場面においては、専門家である税理士が関与することで、客観的に公平な情報の提供により、感情的対立を和らげ、円滑な解決につながるケースも多く見受けられます。以下、実務上特に多い典型的なケースとともに、その当事務所が関与する意義についてご説明いたします。

財産がほぼ不動産しかないケース

まず、「財産が不動産しかないケース」が挙げられます。相続財産の大半、あるいはほぼ全てが自宅不動産や賃貸不動産で占められている場合、分割の難易度は大きく高まります。不動産は現金のように均等に分けることが難しく、共有・単独取得・売却といった選択を迫られますが、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

たとえば共有とした場合には、将来的な管理や売却時に意思決定が難航するリスクがあります。一方、特定の相続人が取得する場合には、他の相続人との公平性をどのように確保するかが問題となり、代償金の支払いが必要となることもありますが、その資金手当てが難しいケースもあります。また、売却を前提とする場合でも、思い入れのある不動産を手放すことへの抵抗から、協議が進まないことがあります。

このような場面において、当事務所が関与することで、不動産の客観的な評価額(*税務上の評価額と実勢価格も異なります。)を提示し、複数の分割案(代償分割・換価分割等)とそれぞれの税負担を明確に示すことが可能となります。これにより、感情的な議論から一歩進み、「どの選択が最も合理的か」という視点での話し合いが進みやすくなり、結果として合意形成が図られるケースが少なくありません。

特定の相続人に介護を任せっきりとしていたケース

次に、「特定の相続人に介護を任せっきりとしていたケース」があります。この場合、長年にわたり介護を担ってきた相続人と、それ以外の相続人との間で、「貢献度」に対する主観的な評価の違いが顕在化しやすくなります。介護を行ってきた側は相応の配慮を求める一方で、他の相続人は法定相続分に基づく公平性を主張することが多く、意見の対立が生じやすい典型例です。

民法では寄与分という制度があるものの、その認定には具体的な証拠や金銭的評価が必要であり、実務上は判断が難しい場面も多くあります。特に、介護という行為は金銭換算が難しく、感情的な要素が強く入り込むため、当事者間だけでの解決は困難になりがちです。

このような場合、当事務所が専門家として関与し、寄与分を踏まえた複数の分割シミュレーションをご提示することで、「どの程度の差を設けると、全体としてバランスが取れるか」を客観的に示すことができます。また、「税務上どのような影響があるか」を併せて説明することで、単なる感情論ではなく、現実的な着地点を見出す助けとなります。

税金以前の『争族』リスクが高いケース」

最後に、「税金以前の『争族』リスクが高いケース」が挙げられます。これは、もともとの家族関係やコミュニケーションの不足、あるいは過去の経緯による不信感などが背景にあり、相続を契機として対立が表面化するものです。兄弟間で長年疎遠であった場合や、再婚家庭における相続関係などでは、特に慎重な対応が求められます。

このようなケースでは、財産の多寡や分け方以上に、「納得感」や「説明の透明性」が重要となります。当事務所が関与することで、分割案ごとの税額や将来への影響を可視化し、「なぜこの分け方になるのか」という根拠を明確に示すことが可能となります。また、特定の相続人に偏らない中立的な立場から説明を行うことで、当事者間の不信感を和らげる効果も期待できます。

さらに、必要に応じて、当事務所と相続案件に知見の深い弁護士等の専門家と密に連携し、法的観点も踏まえた対応を行うことで、調停や訴訟に発展する前段階での解決を図ることも可能となります。

以上のとおり、遺産分割におけるトラブルは、財産の性質、家族関係、心理的要因が複雑に絡み合って生じますが、当事務所が早期に関与することで、客観的な情報提供と専門的知識を持つ第三者として選択肢を提示することにより、争いの緩和や円滑な合意形成に寄与することができます。単なる税務申告にとどまらず、ご家族全体にとって納得感のある解決を目指すことが、これからの当事務所に求められる重要な役割と考えております。

この記事の監修者

吉村 正機

Profile

税理士・公認会計士
大阪市立大学 商学部卒

あずさ監査法人国際部、株式会社KPMG FASにて約10年経験を積み、2012年にビジネスアスリーツ会計事務所を設立。また、金融機関の社外役員にも就任しており、金融・証券市場にも一定の知識を有する。

プライベートでは、アイアンマンレースのほか、サハラ砂漠を250キロ横断するレースも完走。